行動経済学について
プライミング効果とアンカリング効果

今回から、ビジネスにも役立つ行動経済学について取り上げてみたいと思います。
行動経済学とは「経済学と心理学を融合させた学問で、人間の行動が経済活動に与える影響を研究する分野」と定義されています。従来、人間は合理的な判断に基づいて経済活動を行うものと考えられていましたが、行動経済学においては人間は必ずしも合理的な判断に基づいて経済活動を行っているわけではないとされています。経済学においては比較的新しい分野です。
今回は、行動経済学の用語で使われている「プライミング効果」と「アンカリング効果」について、少しだけ話させていただきます。
① プライミング効果とは
「プライミング効果」とは「先行する刺激が、後の刺激の処理を促進または抑制する心理現象」のことと定義されています。 例えば何かの匂いを感じることによって、何かの欲望を起こさせるような仕組み。具体的な例を挙げますと、マクドナルドの店舗の前でフライドポテトやハンバーガーの匂いを感じて、食べたくなるといった消費者の行動です。プライミング効果はマーケティングの戦略に広く使われています、特定の商品やサービスを連想させるロゴや色、音等もそうです。
➁ アンカリング効果とは
続いて「アンカリング効果」とは「最初に提示された情報が、その後の判断や評価に無意識のうちに影響を与える心理現象」と定義されています。アンカーとは船の錨の意味で係留効果とも言われます。最初に与えられた情報に考えが固定されてしまうということです。最初に提示された条件(金額等)にその後の判断が影響を受けるのですが、その情報が正確なものかどうかはあまり関係がないようです。スーパーのタイムセールや、期間限定の商品なんかもその例です。
このように、プライミング効果もアンカリング効果も我々の普段の経済活動に普通に組み込まれています。このことを意識するかしないかによって、普段の生活も、ちょっといい方向に持っていけるのではないでしょうか。