認知バイアスについて

人間は基本的に、慣れ親しんだ考え方に乗っ取って行動します。そのパターンを崩すことはエネルギーを必要とするのであまり変化を望まないものだと考えられています。では、人間は具体的にどのようなパターンの考え方によって行動を決めているのでしょうか。それらは認知バイアスといって思考の歪み、一種の考え方のクセのようなものだと言われています。いくつか例を紹介します。
① サンクコストバイアス
これは埋没費用といわれ、それまでに投入した資源(時間・お金・労力)を回収しようとする心理の働きによるものです。株式の投資等でよくあるようです。それまでの損を取り戻したいというのは人間の自然な感情なので無理もないとは思いますが。
➁ 授かり効果
人は自分の持っているものに対して一般的な価値よりもより多くの価値を感じるようです。思い入れや愛着があるということも原因に当たるかと思います。不動産の売却価格が売主の考える価格が相場より高くなってしまうのもこの効果によるところが大きいのではないでしょうか。
③ 現状維持バイアス
いつもそのやり方でやっているからとか、今のところ何も不具合は生じていないので、とかいうだけの理由でパターンを変えない考え方です。変化が緩やかな時代であればあまりやり方を変えない方が合理的だったかもしれませんが、現代のように変化のスピードが速い時代においては、この考え方は合理的ではないだけではなく、リスクが大きいと考えられます。
以上の三つの考え方はいずれもあまりいい結果を生み出さないと考えられています、ではどのように考えればいいのでしょうか、それは一旦あるものをないものとして、またはなかったものとして考えることです。
これを「ゼロベース思考」と言います。まあ口でゆうほど簡単ではありませんが(笑)試してみる価値はあると思いますので実践してみてはいかかがでしょうか。