不動産業のDX化について
AI社員が活躍する不動産業界

以前、不動産業とAIの親和性について書きましたが、今回は更に生成AIに的を絞って考えてみたいと思います。
生成AIとは文章や画像、音声を生成することに特化したAI技術のことで質問に対する解答や文章の要約、画像の作成やデータ収集と分析といった幅広い仕事をこなします。
これらの能力は契約書のひな型の作成、物件の紹介文、顧客からの質問に対する解答等の実際の業務に応用されています。
現場で活用されている例
① 広告のキャッチコピーの作成
物件の概要を入力すれば、AIがその物件のアピールポイントを自ら考えてキャッチコピーを作成します。その際どのような顧客層にアピールするのかも考えて作成します。
➁ 画像の加工処理
物件の写真を加工処理して、物件の魅力をより際立たせることに役立てることが出来ます。また写真に写りこんでしまった人物や自動車のナンバーをプライバシー保護の観点からAIが自動で判断し処理します。
③ 顧客対応補助
顧客からの問合せに対して、AIが自動で対応します。単純な質問に対する解答であればスピーディーな対応が可能です。
④ 物件活用の診断
売却予定の物件等に対して、どのような用途が最適かAIが診断して具体的な活用方法を提案します。
生成AIの活用によるリスク
このように様々な業務に活用できる生成AIですが、当然リスクがないわけではありません。
AIは常に正しい情報を出力するわけではないので注意が必要です。
例えば、実際の物件にはない設備をあると説明してしまったり、法的に問題のある表現を使用してしまったりといったことが考えられます。完全にAIに業務を任せるのではなく、あくまで補助的に使用するという業務の体制が必要だと言えます。
将来的にはAIが顧客のニーズに合わせて提案を行い、契約手続きまで行うAI社員が登場するかもしれません。しかしコンプライアンスの問題や、不動産の購入といった大切なイベントを消費者がAIをどこまで信頼して任せるのかといったところは、まだまだ未知数ではないでしょうか。