所有者不明土地について

所有者不明土地について

昨今、全国的に登記上の所有者が特定できない、いわゆる「所有者不明土地」のことが大きな社会問題となって取りざたされています。このことに関連して様々な法律改正が、近年実施されています。以前に紹介した、隣地から越境してきた竹木の枝の切除についての民法の改正も、一連の法改正の一つです。

隣地使用権の拡大

越境してきた竹木の枝の切除の話をもうちょっと広げてみたいと思います。

改正前の民法では、建物や塀の建築・修繕のために隣地を使用する権限があることは認められていましたが、令和3年度の改正では。その権利の範囲が広げられました。

具体的には ① 境界付近での工作物の設置(物置小屋を建てる等) ②土地の測量 ③越境してきた竹木の枝の切除 です。

これらのことを実行するためには、隣地の所有者に対し、目的や日時、場所などを事前に通知しておく必要があります。 但し、事前の通知が困難な場合は、着手後、遅滞なく隣地の所有者に対して通知すればよいことになっています。

また、隣地所有者の損害が最も少ない方法を選択する必要があることにも注意が必要です。

これらの改正は、隣地が空き地あるいは空き家になっていて、使用されていない、また所有者が特定できない状況を想定しているように思われます。

次回以降も所有者不明土地に関連することについて。ご紹介していきたいと思います。