出来れば避けたい不動産トラブル

強引な住宅のリースバック契約問題

「住宅のリースバック契約」とは、自宅(戸建・分譲マンション)を不動産会社等に売却し、その後買主と賃貸借契約を結んで、家賃を支払って引き続き自宅に住み続けるという仕組みです。

最近、このリースバック契約についての相談が消費者生活センターに多数寄せられています。

「自宅に訪問してきた不動産業者に何時間も執拗に売却するよう勧誘された」といった勧誘に関する相談や、「契約内容をよく理解できないまま強引に契約させられ、その後家賃が払えなくなった」という深刻な内容もあります。

相談者の大半は70歳代以上の高齢者で、長時間の勧誘で不安になり契約してしまうということが多いようです。

「住宅のリースバック契約」自体は適法な仕組みなのですが、以下のようなことが問題となっているようです。

⑴ 長時間の執拗で強引な勧誘によって望まない契約を結ばされてしまう。

 これにはリースバック契約による買取金額が売却の相場金額より安くなるという事情が原因となっています。

 冷静になって考える前に契約させてしまいたい業者の思惑があるようです。

⑵ 契約内容について消費者について適切に理解させていない。

不動産の売買契約を結ぶと、契約を解除する場合違約金が発生します。リースバック契約と言われたので、通常の売買契約と違うと消費者が誤解したのかもしれませんが業者の説明不足であることは否めません。

また、数年後に家賃が上がる契約になっていることも多いようで、それもトラブルのもととなっています。

⑶ そもそも「自宅に住み続けたい」という消費者のニーズを満たす契約となっていない。

消費者側の事情が「生活に困窮していた」「借金返済のため」であったことも背景にありますが、家を売ってもそのまま住み続けられるというリースバック契約のメリットばかりが強調され、リスクについての説明がなされていなかったということが原因となっています。

国民生活センターからこのような事態を受けて、全国の宅建協会に適切な対応をするよう要望がなされています。

いずれにしても、強引な勧誘に対してはきっぱりと断る態度を示していただきたいと思います。