行動経済学について
早い思考と遅い思考(ビジネスに役立つ行動経済学)

久しぶりに行動経済学について取り上げることに致します。
行動経済学は以前にも取り上げましたが、従来からの経済学に
心理学の要素を取り入れ、人間の非合理な意思決定を経済学に取り入れる学問とされています。
今回は、その意思決定にモデルを「システム1・システム2」という分類で説明致します。
「システム1」は早い思考、「システム2」は遅い思考とされています。どういうことでしょうか、まずは次の問題を考えてみて下さい。
「野球のボールとバットが合計して1100円で売っていました。
バットはボールよりも1000円高いです。
バットとボールはそれぞれいくらでしょうか?」
紙に書いたりせずに直感で答えてみてください、多くの人はバットは1000円でボールは100円と答えてしまうのではないでしょうか?
落ち着いて考えてみれば間違えていることに気が付くはずです。(答えはバットが1,050円、ボールは50円です)
このように人間は無意識のうちに簡単そうにみえる問題をシステム1(早い思考)を使って判断しています、そのことによって勘違いや非合理的な判断をしてしまうのです。
また、複雑そうな問題や、重要な問題についてはシステム2(遅い思考)を使っています。
もちろん、システム1より、システム2のほうが優れているということではありません。
お昼にそばを食べるか、うどんを食べるかといったどちらでもいいような問題はシステム1を使って決定したほうが時間の節約にもなりますし合理的な判断といえます。
つまりは状況に応じてシステム1とシステム2を使い分けるということなのですが、時にはちょっと間をおいてその状況がどういう状況なのか確認してみることが大事なのかもしれませんね。